- category *
- Title list *
- RSS *
- Admin
「贔屓」の語源は?-龍の9匹の子供たちのうち1匹の名前だった


「贔屓(ひいき)」は、仏教から来た言葉で、元は石像物の足元の支えの部分にある猛獣のことを指しました。
中国では、龍には9匹の子供があるとされています。
この龍の子供たちは「龍生九子(りゅうせいきゅうし)」と呼ばれ、この猛獣はそれらの子供たちの1人です。
龍生九子
- 囚牛(しゅうぎゅう)
- 龍の角と鱗をもち、音楽を好む。琴や鼓の飾りに使われている。
- 睚眦(がいし)
- 伝説の霊鳥である鳳凰(ほうおう)に似ていて、高いところや遠くを眺めるのを好む。軒の上に飾られ、シーサーの起源という説もある。
- 蒲牢(ほろう)
- 龍に似た姿でほえるのが好きなことから、釣鐘の鈕(ちゅう)という鐘を吊るために綱を通す部分の飾りによく見られる。この鈕を日本では「竜頭(りゅうず)」といい、腕時計の針を動かしたりゼンマイを巻く部分の名称になったが、蒲牢の飾りは見られなくなった。
- さん猊(さんげい)
- 獅子の姿に似ていて煙や火を好む性質から、寺院の香炉の足の飾りになっている。位(くらい)の高い僧が座る場所を「猊座(げいざ)」といい、高僧のことを「猊下(げいか)」というのはここから来ている。
- 蚣蝮(はか)」または「覇下」
- 姿は龍に似ていて水を好む性質があることから、雨樋(あまどい)や橋、水路などの水に関わるものの装飾に見られる。
- 「へいかん」
- 年老いた虎の姿に似ており、正しく訴えを裁くとされることから、監獄の門や扉に飾られる。中国では監獄そのものの異称とにもなrっている。
- 贔屓(ひき、びし)
- 亀に似た姿で、重いものを背負う役割を持っているとされることから、石柱や石碑の土台の装飾に見られる。
- ?吻 「ちふん」または「鴟吻(しふん)
- 魚やクジラに似た姿とされ、何かをくわえることが好きで、遠くを望む性質があるといわれる。そこから屋根のいちばん上の「大棟(おおむね)」の両端をくわえるように飾られ、これが「鴟吻(しび)」という装飾になった。日本の城に見られるシャチホコは、この鴟吻が元となっている。
贔屓は、当初は「ひき」と呼ばれていましたが、長音変化して「ひいき」と呼ばれるようになりました。
贔屓の、重いものを背負うというその役割から、「支えてその物に力を貸す」「一生懸命になって力を貸す」という意味に使われるようになり、またそこから、「特別に目をかける」という意味でも使われるようになりました。

- 関連記事
カテゴリ:[語源・由来]