- category *
- Title list *
- RSS *
- Admin
「立つ鳥跡を濁さず」は本当? - 実際には飛び立つ前にフンをしていた!

後始末は見苦しくないようにきちんとせよ、という意味のことわざに、「立つ鳥跡を濁さず(たつとりあとをにごさず)」というのがありますが、実際のところはどうなのでしょうか?
結論を先に書けば、それはウソでした。
立つ鳥とは「水鳥」のこと
まず、ここでいう鳥というのは、「水鳥(みずどり)」のことです。
そして、「立つ鳥」というのは、「飛び立つ鳥」を意味します。
「水鳥」には、季節の変化に合わせて、居住地を転々とする習性がありますが、この水鳥が飛び立った後の池や湖は、塵(ちり)ひとつ落ちていず、大変きれいだといわれています。
ここから、「立つ鳥跡を濁さず」という言葉が生まれ、「去る者は跡始末をきちんとして、見苦しくないようにせよ」といった意味で使われるようになったのです。
鳥は、ほとんどの場合、飛び立つ前にフンをする
さて、本題に戻ります。
鳥は、ほとんどの場合、飛び立つ前にフンをします。
これは、空を飛ぶために、体重をできるだけ軽くしようとする、鳥の特性によるものです。
つまり、「立つ鳥跡を濁さず」というのは、ウソだったのです。
「ピー子、あなたフンしたことある?」「まあ失礼ね! あたし、そんなはしたないことしたことないわ!」「2人とも、ガラスでできてるのに、良くそう口が回るわね」

写真はこちらからお借りしました。
「飛ぶ鳥跡を濁さず」は正しい?
ちなみに、このことわざから派生したと思われるものに、「飛ぶ鳥跡を濁さず」があります。
が、以上のことから分かる通り、これは誤用です。
このことわざの肝(きも)は、「(巣から)飛び立つ鳥」にあります。「(空を)飛んでいる鳥」では意味をなしません。
「立つ鳥跡を濁さず」の反対の意味をもつことわざは?
なお、「立つ鳥跡を濁さず」の反対の意味をもつことわざに、「後足で砂をかける(あとあしですなをかける)」というのがあります。
「後足」は、文字通り動物などの後ろ足のことで、「後足で砂をかける」は「犬や馬が後足で砂をまき散らしながら駆けている様子」を表わします。
ここから、「後足で砂をかける」は、「去り際に迷惑をかけたり、恩知らずなことをしたり、裏切ったりする」という意味で使われるようになりました。
他には、「旅の恥は掻き捨て(たびのはじはかきすて)」「後は野となれ山となれ(あとはのとなれやまとなれ)」「大水の出たあとのよう(おおみずのでたあとのよう)」があります。
- 関連記事
-
カテゴリ:[語源・由来]