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日本の標高は国会が基準だった? - 日本水準原点と国会の深いつながり

日本の土地の高さを示す標高(ひょうこう)。
この標高は、東京湾の平均海水面を基準(0メートル)として測定されています。
そして、この東京湾の平均海水面を地上に固定するために設置(せっち)されたのが、「日本水準原点(にほんすいじゅんげんてん、Japanese datum of leveling)」です。
現実の海面は波や風、月の潮汐(ちょうせき)、太陽の動きなどによって、時々刻々(じじこくこく)と変化しています。
しかしながら、この海面を長い年月にわたって観測していくと、その平均値をとることができます。
こうして定められたのが「平均海面」で、かつて参謀本部(さんぼうほんぶ)の陸地測量部(りくちそくりょうぶ)があった敷地内である国会前庭(こっかいぜんてい、=国会議事堂前にある庭園)に設置されている「日本水準原点」の標高(24.3900メートル)は、この数値を基準としています。
陸地測量部というのは、かつて国内外の地理、地形などの測量・管理等にあたった、現在の国土地理院(こくどちりいん)の前身のひとつです。
そしてこの「日本水準原点」は、1890年8月に工事計画がなされ、同年12月24日に工事が開始、翌年の5月に竣工(しゅんこう)設置されました。
富士山、浅間山などの山の高さ、土地の高さ、また一般的な地理上の高さを実際に測量する際には、国会前庭に設置されたこの「日本水準原点」が用いられています。
日本水準原点 石碑(平成23年10月21日建立)

写真はこちらからお借りしました。
いずれにしても、国会議事堂のある日本の立法の中心地が、高さの中心地(基準地)でもあったのです。
なお、標高と似た言葉に「海抜(かいばつ)」というのがありますが、この2つはどう違うのでしょうか?
海抜も、標高と同様高さを表す表現で、一般的には「標高」と同じように使われています。
が、海抜の場合、東京湾ではなく、近くの港湾(こうわん)などの平均海面を基準としています。
津波(つなみ)対策や低地(ていち)対策、高潮(たかしお)対策などにおいては、東京湾よりも近くの海面との比較の方が重要になります。
そのため、このような場合、標高ではなく「海抜」を用いるのが一般的となっています。

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カテゴリ:[雑学]