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「元の木阿弥」の語源は?-筒井順昭の影武者を務めた木阿弥の名前から


結局、元の惨(みじ)めな状態に戻ってしまうことを、「元の木阿弥(もとのもくあみ)」といいますが、この言葉には、どのような由来があるのでしょうか?
戦国時代のこと。
大和の国を支配していた武将・筒井順昭(つつい じゅんしょう)が、不治(ふち)の病に倒れました。
このとき、彼の息子である跡継ぎの順慶(じゅんけい)は、まだ2歳。
もしも今、順昭が死んだことが知れ渡ったら、たちまち城は攻め落とされて、国は滅びてしまいます。
そこで、順昭は、自分が死んでもそのことは秘密にして、誰か自分に似た者を影武者(かげむしゃ)に立てるよう、遺言(ゆいごん)して死にます。

「オレ、
さて、順昭の遺言に従って、影武者に仕立てられたのが、木阿弥という盲人です。
木阿弥は、声や姿が順昭にそっくりだったのです。
木阿弥は、順昭に成りかわって薄暗い病床に臥(ふ)せって命令を下し、首尾(しゅび)よく順昭の影武者を務め、周りの人をだまし続けます。
しかし、順慶が成人した3年後に、順昭の死が公表されて、木阿弥はお払い箱となり、一介の市井(しせい)の人に戻されたのです。
このことから、一時栄えた人が、落ちぶれて元の惨めな状態に戻ることを、「元の木阿弥」というようになりました。

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カテゴリ:[語源・由来]