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名誉ある「芥川賞」と「直木賞」を辞退した作家がいる?

文学 賞

芥川龍之介(あくたがわ りゅうのすけ、1892年 - 1927年)の名を冠した「芥川賞」は、新聞・雑誌に発表された純文学短編作品の中で、最も優秀なものに贈られる賞です。

一方、直木三十五(なおき さんじゅうご、1891年 - 1934年)の名を冠した直木賞は、新聞や雑誌、単行本として発表された短編・長編の大衆文学作品の中の最優秀作品に与えられる賞です。

この2つは、いずれも1935年(昭和10年)に制定された文学賞です。

さて、これらの賞は、世の作家にとっては、どちらも是非欲しい名誉ある賞ですが、実はこれまで、受賞決定後に辞退(じたい)した人物が2人います。
その2人とは、第11回芥川賞の高木卓(たかぎ たく、1907年 - 1974年)と、第17回直木賞の山本周五郎(やまもと しゅうごろう、1903年 - 1967年)です。

山本周五郎
山本周五郎
写真は、こちらからお借りしました。

前者は1940年(昭和15年)に大伴家持(おおとも の やかもち)を描いた歴史短篇「歌と門の盾」で芥川賞を、後者は1943年に「日本婦道記」で直木賞が授与されますが、辞退しています。

それでは、それぞれどのような理由で辞退したのでしょうか?

高木氏の場合は、

「前作の方が気に入っている」

というのがその理由でした。
が、自分が辞退すれば、友人がくりあげ受賞できると思ったというのが真の理由でした。

一方の山本氏の場合は、受賞は光栄なことと前置きしたうえで、

「新人と新風(しんぷう)を紹介する点にこの種の賞の意味がある」

と辞退。
そして山本氏は、その後も一切の文学賞を受けることはありませんでした。

ちなみに、高木卓(本名:安藤熙)は、日本に初めて洋楽を紹介したヴァイオリニスト安藤幸(あんどう こう)の息子、つまり幸田露伴(こうだ ろはん)の甥(おい)にあたります。
独文学者、音楽評論家として活躍した人物で、作家としては大成しなかったものの、沢山の本を著し、ケストナー「飛ぶ教室」の翻訳などもしています。
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