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昆布は、何故海の中でだしが出ないのか?

ちょっと想像してみてください。
もしも、海の中で昆布のだしが出るのであれば、海水浴に行くたびにおいしい思いができますね。
でも残念ながら、海水はお吸い物ではありません。【><】
昆布のだしの主成分はグルタミン酸
昆布のだしの主成分は、アミノ酸の一種のグルタミン酸。
これが、昆布の「うまみの素(もと)」です。
が、昆布にとっては、このグルタミン酸は、窒素の貯蔵やタンパク質の代謝(たいしゃ)に関わる、「命の素」でもあります。
海の中にいる昆布は生きているので、グルタミン酸を体外に出したら、死んでしまいます。
また、死んだ昆布は、バクテリアの働きで腐敗(ふはい)し、グルタミン酸はさらに小さな物質に分解されるため、だしどころではありません。
昆布のだしが出る状態は?
それでは、どのような状態の昆布であれば、だしが出るのでしょうか?
それは、”グルタミン酸を分解するバクテリアが死んでいる状態”、つまり「乾燥昆布」となった状態です。

海から採(と)った昆布を浜に広げ、昼は天日で乾燥させ、夜には棒に巻きつけて屋内に入れます。
この作業を3日から1週間ほど繰り返すと、生きていたときには昆布にくっついていたグルタミン酸が、ひとつひとつの遊離グルタミン酸に分離し、同時にバクテリアは死ぬので、うまみが出やすい状態になります。
こうしてつくった乾燥昆布を水につけると、昆布の中のグルタミン酸やナトリウムなどが溶け出し、その液体の濃度が上がり、浸透圧(しんとうあつ)によってグルタミン酸が水中ににじみ出るというわけです。
そして、この昆布のうまみの研究が、明治の終わり頃、日本で発明された化学調味料へとつながっていきました。

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カテゴリ:[雑学]