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病院の手術室には、外科医のためにある”仕掛け”が隠されていた?

病院といえば、白衣、白い建物、白い壁、白いベッドと、白ずくめの世界と思いがちです。
が実は、手術室だけは例外なのです。
手術室には、ちょっとした色のトリックが隠されていることを、あなたはご存知ですか?
外科医を悩ませた「色残像」
今から60年以上も前のことです。
ニューヨークのある外科医が、手術をすると、目がひどく疲れることが気になりました。
また、何かの拍子に手術室の壁に目がいくと、光が反射してまぶしい。
さらに、その白い壁に青緑色のシミが見えてくる。
不安にな駆(か)られたその外科医が、色彩専門家のところへ行って相談すると、それは目の異常なのではなく、「色残像」あるいは「色対比」といわれる現象のせいであることが分かりました。
色残像とは、たとえば、黒いものを見つめていると、人間の網膜(もうまく)が疲労し、反対色が浮かんでくる現象です。
ここでいう反対色というのは、白←→黒、赤←→緑といった、光の補色関係(その色どうしが組み合わさると、白くなる関係)のことをいいます。
つまり、手術の際、血液の赤色ばかりを見ていた医者の目に、青緑色の残像がうつったというわけです。
試しに、下の赤いマルの中心にある黒い点を20秒ほど見たあと、その右側にある黒い点に視線を移してみてください。
緑っぽい残像が見えると思います。

手術室の色を変えると、外科医の悩みはたちどころに解消
さて、そのようないきさつがあり、手術室の壁の色も手術着の色も、みな白から青緑色に変えられることになりました。
すると、外科医の気にしていた色残像はウソのようになくなり、壁や白衣に光が反射してまぶしかった悩みも同時に解消されました。
その後、この青緑色の手術着は、多くの病院で採用されることになりましたが、この色調には、手術の際の緊張をやわらげる効果があることが分かり、医療に携(たずさ)わる医者や看護師、さらには患者にとっても、ちょっといい話となりました。
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