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看守に追い出された、ヘンな囚人がいた?

世の中には変わった人がいるものですが、18世紀のイギリスにいたロバートソンというスコットランドの地主もその1人でした。
どのように変わっているのかといえば、彼は、進んで監獄(かんごく)に入りたがるという変人だったのです。
彼は、名誉革命で国を追われたジェームス2世を、再び王位につかせたいと願う、熱心な活動家でした。
そして、スチュアート王家のために役立つことを何よりの喜びとしていました。
一説によれば、彼は反逆者として捕らえられ、八つ裂きにされることを本望(ほんもう)としていたともいいます。
そのため、ある反乱に加担(かたん)して、スコットランドのエジンバラで投獄(とうごく)されたときは、非常に喜んだのです。
彼があまりにも喜ぶので、牢獄の中では”頭のヘンな地主”というあだ名をつけられたほどです。
しかしながら、せっかく入った牢屋ではありますが、もともとたいした罪を犯したわけでもなかったため、彼は投獄期間を過ぎると、さっさと追い払われてしまいました。
だが、これしきのことで諦めるようなロバートソンではありません。
彼は、出所日にダダをこねて、ここを出るのはイヤだと頑張りとおしました。
ある朝、2人の兵士が現われて、
「お前を大逆罪で裁くから、外へ出ろ!」
といってきました。
「やった!」
とばかりに飛び出したロバートソンですが、彼が門外に出ると、すぐに扉は閉まってしまいました。
つまり彼は、ていよく追い出されてしまったのです。
かくして、行き場をなくしたロバートソンは、他のことに心を傾けるようになりました。
彼は、自分の崇(あが)める英雄の木像(もくぞう)をつくり、これを子供たちに配って、「歩く名物男」として残りの人生を生きたのでした。

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カテゴリ:[世界の奇人・怪人]