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「住民登録」し、所得200万円を「確定申告」した律儀な泥棒がいた?


住所を定めず、地下に潜伏(せんぷく)し、世の中に組み込まれること極端に嫌う――これが、一般的な”ドロボー像”と思われます。
しかしながら、平成2年9月に、東京・田無(たなし)署に逮捕されたA(33歳)の場合は、およそ泥棒らしくありませんでした。
大手警備保障会社の社員を装(よそお)って、盗んだお金を堅実(けんじつ)に貯金。
ここまでは、まだ理解できるとして、さらに、しっかりと住民登録。
そして、なんと、”所得”約200万円を確定申告していたのです!
Aが、このような普通人の生活を目指すようになったきっかけは、以前関西にいたときに、窃盗罪(せっとうざい)で捕まったことでした。
彼はこのとき、
「絶対に捕まらないドロボーになってやる!」
と、固く決意したのでした。
そして、彼の思惑(おもわく)は功を奏します。
入居していたアパートの管理人に、
「彼は模範的な人」
といわしめ、真下の部屋に別のドロボーが入ったときも、疑われずじまいでした。
Aは、夕方になると、家路を急ぐ会社員に紛(まぎ)れて、自分も背広姿で”仕事”に出かけます。
このようにして、約300件、5000万円の盗みを働き、貯金もいつしか2000万円に達していました。
ところが、そんなAを、神様はちゃんと見ていました。
ほかのドロボーが、盗品を質入れする際、ニセの住所としてAが住むアパートのすぐ近くを書いていたため、前科のあるAが容疑者として目をつけられてしまいます。
そしてついに、”仕事中”に御用となってしまったのです。
いよいよ、ドロボーも確定申告をする時代が来たか、という感じですね。
が、職業欄には、一体何と書くのでしょう?

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カテゴリ:[珍事件簿]