Super源さんの雑学事典

「山車」は何故「だし」と読む? - 丹波篠山にある波々伯部神社の祭礼で使用される「山だし車」から

山車 だし

神社の祭礼のときに引く、種々の飾り物をつけた屋台を山車(だし)といいますが、何故「だし」と読むのでしょうか?

「山車」を「だし」と読む理由


丹波篠山(たんばささやま)に、「波部(はべ)」というところがあります。
この波部の近くに、「波々伯部神社(ほうかべじんじゃ)」という神社があります。
この神社の祭礼で使用されるのが「山だし車」で、これは、台車の上に竹や枝を使って山に見立てたものです。

この台車を、最初は「山だし車」といっていましたが、いつしか山をはぶいて「だし」と呼ばれるようになりました。
漢字の方は、そのまま省略されて、「山車」となりました。

山車は、東日本では山車、屋台、西日本では笠鉾(かさほこ)、山笠、山鉾、楽車(だんじり)(車楽、地車、壇尻、段尻とも書く)、曳山(ひきやま)などと呼ぶことが多いです。

山車の古い形は、大嘗祭の標山に見られる


山車の古い形は、平安時代の文献に見える大嘗祭(だいじょうさい)の標山(しめやま)に見られます。
標山というのは、神の標めた(し・めた、=占有・領有した)山という意味で、神を標山に招き寄せて、神泉苑(しんせんえん)から宮中の祭場まで引いてきます。

神泉苑(京都市中京区にある真言宗の寺院)
神泉苑 寺院 京都市中京区
写真は、こちらからお借りしました。

この移動式神座の形式は、中世になると風流(ふりゅう)化され、京都市東山区の八坂神社(やさかじんじゃ)で行なわれる祇園祭(ぎおんまつり)の山鉾のように、風流の飾り物を美しく仕立てて華美(かび)になりました。

祇園祭(京都)
祇園祭 京都

そして近世になると、この祇園祭の山鉾をモデルとした山車が地方都市に普及し、全国的に行なわれるようになったのです。

参考にしたサイト
山車と書いて「だし」となぜ読むのか?? | 長さんの築きノート
https://blog.goo.ne.jp/kuromameouji/e/73cf21b831fab3fda0142ea199eff523
山車とは - コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E5%B1%B1%E8%BB%8A-93227
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