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なんと! 自動販売機は2000年前からあった?-自動販売機の始まり


「ここは、ニャンか気持ちいいニャー」
今や、全国どこへ行っても、清涼飲料水の自動販売機があるというご時世。
その総台数は、日本全国で約250万台といわれます。
お蔭で、田舎の風情(ふぜい)もだいぶ失われた感がありますが、近代産業の産物として考えられがちなこの自動販売機が、実は、なんと、2000年以上も前からあったというから驚きです。
自動販売機の発明は、紀元前215年頃のエジプトだった
時は、紀元前215年頃のエジプト。
「聖地」としても栄えたエジプトの巡礼(じゅんれい)に訪れた人々は、神殿の入り口に備えつけられた見慣れない形の「機械」に目を見張りました。
そして、さらに驚いたことには、その機械の指示されるままにコインを投入すると、一定量の「聖水」が注ぎ出てきたのです!
これが、世界で最初の自動販売機といわれています。
神殿の「聖水」は、汚(けが)れを清め、万病を治すと信じられていたので、遠路はるばるこの水を求めてやってくる人たちが後をたたなかったのです。
神社のおみくじの自動販売機にに顔をしかめる方もいらっしゃいますが、2000年も前からその兆(きざ)しはあったということなのでしょう。
自動販売機の発明者は?
ところで、この自動販売機を発明した人は誰なのでしょうか?
それは、「ヘロンの公式」で有名な数学者のヘロンと伝えられています。
ヘロンの「気体装置」に記された、聖水用の自動販売機(イタリア国立図書館所蔵)

写真は、こちらからお借りしました。
この自販機は、てこの原理を応用したもので、投入された硬貨の重みで内部の受け皿が傾き、その傾きが元に戻るまで弁が開いて水が出てくるという仕組みでした。
ヘロンの自動販売機の動作原理

写真は、こちらからお借りしました。
ヘロンは、理論上の数学よりも、応用力学などに関心をもっていた人で、他にもサイフォンや温度測定機器、万歩計、水オルガン、汽力球(きりょくきゅう)などを発明、考案しました。
現代ならば、さしずめマルチプランナーといったところでしょうか。
エジプトのこの自動販売機は、その後どうなった?
それでは、エジプトのこの自動販売機は、その後どうなったのでしょうか?
実は、このヘロンの大発明である自動販売機がその後どうなったのかは、明らかではありません。
ひょっとすると、「聖なる水で商売をするとはけしからん」と、大衆にそっぽを向かれ、早々に撤収(てっしゅう)してしまったのかも知れません。
だとしたら、早すぎた発明だったというほかないでしょう。

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カテゴリ:[雑学]