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水を細くしても飛び散らないのは何故? - 水道の「蛇口の内側」の秘密

水道の蛇口をひねり、水をある程度出しておいてから、ホースの先端を指先などで「ギュッ!」と細くしてやると、水は「シャーッ!」と勢い良く飛び散ります。
次に、指先は使わず、蛇口を少し右にひねって水の出方を細くしてやると、今度は水は飛び散りません。
「あれっ?」
この一見当たり前に見える現象ですが、考えてみると、何か変ではありませんか?
「そういわれてみれば、何か不思議な気もする」
改めて問われて、このように感じられた方もいらっしゃるかと思います。
この、頭の中で何かもやもやーっとしたものを言葉に直し、一言にまとめると、以下のようになりす。
「手で水量を制限(せいげん)すると水は飛び散るが、蛇口で制限すると飛び散らない」
これは、考えてみたら摩訶不思議(まかふしぎ)な現象です。
そして、このような違いが出るということは、きっと、蛇口の中に、何か秘密があるのに違いありません。
ということで、今日は水道の蛇口の秘密について書いてみたいと思います。
水が飛び散らないのは、蛇口の内側についている「整流装置」の働きだった

皆さんは、普段目につかない水道の蛇口の内側に、花のようなギザギザの金具がついていることをご存知でしょうか?
実はこれ、「整流装置(せいりゅうそうち)」という、水の流れを整えるものなのです。
「えっ、水の流れを整えるもの?」
そうです。この整流装置こそが、冒頭で述べた不思議な現象を引き起こしているタネ-パーツ-なのです。
整流装置

イラストはこちらからお借りしました。
水道管の中を流れる水は、管の壁面の摩擦抵抗(まさつていこう)を受けて、外側の水の流速(りゅうそく)が中心部に比べるとやや遅くなっています。
このままにしておくと、水は蛇口から流れ出るときに、横に広がって飛び散ってしまいます。
そこで、整流装置をつけて、この流速を均一にしてやります。
すると、水は飛び散ることなく、まっすぐに蛇口から流れ出るようになるのです。
以下が、整流装置の定義です。
整流装置とは
流体(りゅうたい)の旋回流(せんかいりゅう)、編流(へんりゅう)、縮流(しゅくりゅう)を消滅または減少させ、流量計(りゅうりょうけい)の特性に及ぼす悪影響を少なくするために流量計の上流側(流入側)に設置(せっち)し、流れを整えるもの。
どうですか?
ちょっと難しいですが、整流装置って、何か、見えないところで、さりげなくスゴいことをやっていると思いませんか?
この、文字通り隠れたところで水の流れを整えている、喩(たと)えていえば「縁の下の力持ち」的な存在の整流装置ですが、実は設置義務はありません。
なので、もしもご自宅の水道が、どうも水が飛び散るなぁと思ったら、一度蛇口の内側を覗(のぞ)いてみると良いかも知れません。
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カテゴリ:[雑学]