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貴婦人のハートをガッチリつかんだ怪盗がいた? - フランス生まれの若い美青年怪盗ドゥパル

かつてイギリスに、貴婦人のハートをガッチリつかんだ怪盗がいました。
彼の名前は、怪盗ドゥパルです。
貴婦人のハートをガッチリつかんだ怪盗ドゥパル
さかのぼること400年、17世紀のイギリス。
ピストルと短剣を片手に、貴族の馬車だけを狙う盗賊が出没しました。
その盗賊一団を率いるのは、フランス生まれの若い美青年、ドゥパル。
ドゥパルは、車中の金持ち連中から容赦なく金品を奪う一方、貴婦人に対しては礼を尽くすこと、騎士(ナイト)のごとしでした。
上流社会の娘たちは、よるとさわると、この怪盗ドゥパルの噂に花を咲かせていました。
ある日のこと、男爵と夫人の一行を襲ったドュパル率いる盗賊団は、夫人から”歓迎の一曲”を賜りました。
その夫人は、かねて憧れていたドゥパルに会えた喜びを、従者にもたせていた楽器(ヴィオラか?)で奏でたのです。
その見事な調べに感銘したドゥパルは、夫人にひざまずいて、ダンスを申し出ました。
かくして2人は、手下たちが銃や剣をきらめかせて取り囲む中、馬車からおりて踊り続けたのでした。
そして、踊り終わると、ドゥパルは車中の男爵につかつかと歩み寄り、
「ご観覧料をちょうだいします」
と申し出たのです。
こんな騎士が、女性にもてないわけがありません。
チャールズ二世の御世、ドゥパルはロンドンのパブで酔いつぶれているところをついに捕まってしまいましたが、貴婦人たちは王に助命を願い出たほどでした。
しかしながら、法のもとには”恋”の二文字はなく、1670年、ドゥパルは絞首台の露と消えます。まだ27歳の青年でした。
彼を偲(しの)んで、貴婦人たちがたてた墓碑(ぼひ)には、以下の文字が刻まれているそうです。
”あなたが男なら懐中物に、女ならハートを盗まれないようにご注意を”

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カテゴリ:[珍事件簿]