ソクラテスを殺した毒ニンジンとは?
ニンジン

ギリシアの偉大な哲学者ソクラテス(紀元前469年頃 - 紀元前399年4月27日)が、「アテナイの国家が信じる神々とは異なる神々を信じ、若者を堕落させた」などの罪状で公開裁判にかけられ、投獄されて毒杯を飲んで死んだことは有名ですが、その杯に注がれていたのは毒ニンジンだったといわれています。
それは一体、どんなものだったのでしょうか?

毒ニンジンは、沼などに自生するセリ科の植物で、原産地はヨーロッパ。
茎、葉、そして特に乾燥した未熟な種子に、コニインという毒が含まれています。
古代ギリシャでは、干して粉末にしたものを、水かお湯に溶かして用いたといわれています。

ソクラテスの弟子プラトンが、ソクラテスの最期を『パイドン』の中に書いているように、コニインの毒素は神経を麻痺(まひ)させるもので、運動神経と中枢神経を冒します。
まず、足・手といった末端が麻痺し、次第に体の中心に麻痺が進みます。
顔の筋肉が麻痺するころには声もかれ、意識のある状態で呼吸筋が冒され、服毒後30分から1時間後に死亡するということです。

当時のギリシアでは、死後の世界に永遠の不死の世界があると考えられていて、毒ニンジンの毒は、その不死の世界への扉を開くものと信じられていたようで、毒ニンジンによって死ぬことを医神アスクレピオスに感謝し、友人たちに供え物をするように頼んだそうです。
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