ピアノは、ミスチューニングがある方が良い音がする?
グランドピアノ

ピアノは、内部にある弦をハンマーで叩いて、音を出す構造になっています。
鍵盤のひとつひとつには、対応する弦が張ってあり、演奏者が何か鍵盤を弾くと、それに対応する弦が叩かれて音が出ます。

が、ほとんどの弦は、1本ではなく、2~3本の弦で構成されています。
つまり、ひとつの鍵盤が叩かれて出る音は、一見ひとつの音に聞こえますが、実は、複数本の弦が同時に振動して出る音なわけです。

これは、音量を大きくするための工夫で、1907年にイタリアのハープシコードという楽器の製作者クリストフォリによって、ピアノが初めて製作されたときから、このような構造になっています。

さて、このような複数弦の周波数を、すべてぴたりと合わせるのは、世界的に最高水準の腕をもつ調律師(ちょうりつし)でも難しく、ごくわずかではありますが、ミスチューニングが出てしまいます。

が、おもしろいことに、人間が調律した弦と、機械でぴったりと周波数を合わせたピアノの音を聞き比べる調査を行なったところ、なんと、ミスチューニングのある人間の調律したピアノの方が、好まれるという結果が出たというのです。

これは一体、どういうことなのでしょうか?

ピアノの音は、打った瞬間に出る大きな音と、その後、弦が振動する弱い余韻(よいん)からできています。
この余韻が響くときに、ミスチューニングがあると、響いている複数の音が完全に溶け合わず、その結果、音にうねりが発生します。
そして、おそらくこのうねりが、聴く人にとって好まれる音の原因になっているのではないかと考えられています。

音のうねり具合は、当然ミスチューニングの度合いによって変わるわけですが、どう周波数をズレせば、どのような音になるのかということに関しては、まだ良く分かっていないようです。

いずれにしても、音量を大きくしようと、ピアノを複数弦にしたことが、音質の面でも良い結果をもたらしているようです。
雑学 豆知識
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