水道水に塩素を入れない、ヨーロッパのこだわりとは?
飲み水についての考え方として、アメリカでは、たっぷり塩素を入れて安心できる水をつくる、というものがあります。

しかし、この点において、ヨーロッパはまったく逆。
塩素などの薬品で水道水を処理するということは、それだけリスク(risk=危険)がともなうことになるので、できる限り、自然に近い形で飲料水を確保しようと考えています。

ゴンドラ運河巡り(イタリア)
ヨーロパの美しい水 ゴンドラ運河巡り(イタリア)

その方法の第一は、塩素消毒をしなくてもすむ良質の原水を確保すること。

たとえば、オーストリアのウィーンでは、”目の前に豊かに流れているドナウ川の水を使わずに、何百キロも離れたアルプスの泉水を引いてきています”。

そればかりではありません。
ミュンヘンやパリなどは、水源の周(まわ)りを保護地区として、泉水(せんすい)の汚染防止も図って(はかって=工夫して)いるのです。

さらに、良質な水が確保できない場合には、緩速濾過方式(かんそくろかほうしき)という、長時間をかけて砂の層で原水を浄化する方法が採(と)られます。
たとえ、この方式が採れず、急速濾過方式を採用する場合でも、沈殿池(ちんでんいけ)での時間を十分に取り、またオゾン処理を強化するなど、上水への塩素の注入量を可能な限り減らす努力がなされています。

一方日本では、塩素で殺菌をするから飲めるのだ、という理屈ですが、ヨーロッパでは、その常識は通用しません。


ヨーロッパが、このように飲み水にこだわる大きな理由のひとつには、日本との降水量の違いが挙げられます。

たとえば、東京、名古屋、大阪の各都市の雨量を100とした場合、ドイツのミュンヘンは60程度、北のハンブルグでは50程度の雨しか降りません。
パリやローマ、マドリードなどに至っては、30といった感じです。
水は、彼らにとって、より貴重なものなのです。

また、特にドイツの水道の歴史で顕著なのは、「川の水は飲んではいけない」という考え方です。
これは、過去の歴史の中で、幾度か大問題となった疫病(ペストなど)の記憶が、心底にしっかり残っているということのようです。

もちろん今では、川の水から病原菌を取り除く技術は確立されているわけですが、今なお、川の水を飲料水の水源とすることに対しては、大きな抵抗感があるようです。

くわえて、ヨーロッパでは、下水道というシステムがかなり前から確立されており、河川はその行き場所、すなわち「不浄の場」としての扱いが一般的だったということもあると考えられます。

人の身体を一回通った水を、また取水して使っているという日本の現状は、本来の感性から見たら、ちょっと凄(すご)いことなのです。

日本人は、潔癖性というか抗菌グッズなどにも興味をもっています。
が、その反面、江戸川や淀川(よどがわ)で、下水道の排水口のすぐ下流にある取水口から水道水をとっていることには無頓着(むとんちゃく)という、ちょっと不思議な一面をあわせもった国民です。
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