映画のトリック撮影は、まさに偶然の産物だった?
古くは特撮による怪獣映画、最近ではSFXを駆使したホラー映画など、映画にはトリック撮影がよく使われます。
今でこそ、その手法は手が込んでいますが、史上初のトリック撮影といわれるものは、次のようなまさに偶然の産物でした。

フランス人のリュミエールが、シネマトグラフ(映写機)を発明したのは19世紀末のことです。
そして、このリュミエールから映写機をゆずり受けて、後に映画の製作システムを体系化したといわれるジョルジュ・メリエスが、1896年(明治29年)に、オペラ座広場で撮影していたときのことです。

ジョルジュ・メリエス (Georges Méliès)
ジョルジュ・メリエス (Georges Méliès)
写真は、こちらからお借りしました。

そのとき、たまたま広場の向こうからやってきたのが乗合馬車。
メリエスは、そのまま撮影を続けましたが、フィルムが途中で引っかかったため、撮影は一時中断します。
そして、あらためて映写機を回しはじめたところ、画面の中央にいたはずの馬車は去り、かわりに霊柩車(れいきゅうしゃ)が止まっていました。

これに気づかず、撮影を続けたメリエスは、現像したフィルムを見てびっくり仰天! 乗合馬車が、一瞬にして霊柩車に入れかわっていたからです。

まあ、当たり前といえば当たり前のことなのですが、これぞ元祖トリック撮影で、のちにメリエスは、この経験をもとに『ロベール=ウーダン劇場における婦人の雲隠れ』という、史上初の特撮映画を製作することになったのでした。
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